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2009年1月14日 (水)

■オランダでの「ワークシェアリング」

こんにちは、株式会社ワーク・ライフバランス 事務局の大塚です。

連続で「ワークシェアリング」について考えている本ブログですが、今日はオランダの取り組みの紹介です。
例によって、慶應義塾大学教授 樋口 美雄先生の文献を引用・参考にさせていただきました。
 詳細はこちら(http://www.rieti.go.jp/jp/papers/journal/0205/bs01.html)をご覧ください。

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今注目されているオランダは1982年、失業率12%超という状況のなかでワークシェアリングを導入し、その後失業率は2000年3%、2001年9月現在で2.1%まで下がりました。
オランダのワークシェアリングは、二段階に分けられます。
緊急避難段階では、既存労働者の労働時間短縮による雇用維持に合意しましたが、その際、労働者は給与減、政府は減税・社会保険料軽減、雇用主は労働時間に連動しない人件費(企業福利、能力開発など)の負担継続という形で痛み分けしました。
ドイツ・フランスはこの段階で終わるか政府主導となったのに対し、オランダは雇用形態を多様化し、パート労働者を増やす形で雇用拡大につなげました。
オランダのワークシェアリングでもう一つ注目すべきは、少子高齢化が進むなか、女性や高齢者の働き方に大きな影響を与えた点です。
87年から働く女性が急増、その7割がパートタイム労働者です。
男性の55~64歳も93年以降増加、積極的な労働市場参加が見てとれます。
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なるほど…日本の現状とオランダの現状、ともに「少子高齢化」という点で非常に一致しているのですね。
(とはいえ、どの先進国も程度の差こそあれ、少子高齢化が進んでいますが)

樋口先生は、
「日本も雇用形態多様化を推進すべきとの声がありますが、その際、パートタイマーの位置づけが問題です。
オランダでは、女性のパートタイマーとフルタイマーの賃金格差は七%程度なのに対し、日本は賞与まで含めると約44%です。
男性100対女性60という男女賃金格差も合わせると、男性正社員の3分の1程度しか女性パートタイマーには払われていません。
この格差を是正せず多様化をすすめると、低賃金労働者が増加する可能性があります。」
とおっしゃっています。

この年末から雇用格差が大変大きな話題となっています。
もちろん雇用形態によって差が生じるのは致し方ない部分なのかもしれませんが、問題なのはその格差の大きさ、幅、にあるのではないでしょうか。

少子高齢化が進むということは、市場で働ける人材の数も同時に減っていくということになります。
少なくなっていく人的資源を有効に、そしてモチベーション高く働いていただき、高い成果を出すことが今後求められるわけですが、その阻害要因になっているのが雇用形態による格差だとしたら・・・。
それは国力を揺るがすことにもつながりかねない大きな問題になりそうです。

この雇用形態の格差をなくしていく、ということについては、政府の力だけはどうにもなりませんし、企業や働く側が個別に動いてしまっても意味がないでしょう。
3者にWINである、ということを明確に理解し、歩みを一緒にしていかねばならない取り組みだと思います。
そのためには、今回テーマとして考えた「ワークシェアリング」や、ひいては「ワーク・ライフバランス」に取り組むメリットについて、もっと具体的な情報提供を相互にしていかねばらないと思います。
そして何より提唱する国や研究機関などが率先して、このテーマに取り組んでいただきたいな、と思います。

ちなみに弊社ではワークシェアリング、というほどかっこいいものではありませんが、仕事の再配分は頻度高く実施しています。
それぞれのライフステージや考え方にそって、個別に働き方を柔軟に変えていく。
少人数でお客様の高い期待に応えていくために必然的にとった方法ではありますが、今のところ、功を奏しているように思います。

みなさんの組織の「ワークシェアリング術」、是非教えてくださいね!

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