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2007年12月 3日 (月)

■医師のワーク・ライフバランスから考える

こんにちは、株式会社ワーク・ライフバランス 事務局の大塚です。

昨日、女性医師のキャリア形成・維持・向上をめざす会(イージェイネット)主催の第3回シンポジウム「医師の理想の働き方とは・韓国と日本を比較して」に参加してまいりました。

このところ、病院関係の方からも弊社の休業者職場復帰支援プログラムarmo[アルモ]にお問い合わせをいただくことが増え、
また、私の友人の医師が「子どもを産んで働くのは難しい」と嘆いていたこともあって、
医療業界のワーク・ライフバランスの現状や解決策などを勉強できれば、と思っていたところでしたので、とても楽しみにしていました!

このブログをご覧いただいているのは企業の方が多いかもしれませんが、「ワーク・ライフバランス化」が遅れている日本社会全体の問題として、お読みいただければと思います。

韓国でやはり医師をされているパク氏によると、韓国でも女性医師の結婚はキャリアの上で障害にはならないが、出産は乗り越えねばならないハードルがある、とのこと。
いわゆる「M字カーブ」が存在するのは先進国の中では日本と韓国だけですが、韓国の女性医師は仕事を続けるため、ベビーシッターハウスメイドを雇ったり両親の手を借りたりといった手を打っているそうです。

このあたりは日本の状況とも似ていますが、日本の場合、まだまだ文化的に「ハウスメイド」を雇うという感覚が浸透していないところもあるように思います。
「他人に家の中を見せるのは恥ずかしい」という意識があるのかもしれませんし、「リスクである」という思いもあるのかもしれません。
しかし、いいハウスメイドさんを派遣してくださる企業もありますから、そうした情報を効果的に伝えていくことが必要なのかもしれません。

また、実際に育児と医師としての仕事を両立されている方がおっしゃっていた言葉で大変印象的だったのが、
昇進などは諦めている
「患者さん、同僚、上司、家族、全ての人に『すみません』といつも思いながら働いている
「両立が大変であること、それでもなんとかしたいと思っていることを訴える場がない
ということです。
医師になられるほどですから大変優秀であるはずなのに、精神的な壁があって万が一その能力を発揮されていないのであったら、それは患者である私たち市民にとってももったいないことですし、大きなロスなのではないか、と感じました。

別の方が例え話として話されていたことで
優秀だけれど24時間飛行しつづけているパイロットの飛行機に、『優秀だから』『あの人は特別だから』といって、あなたは乗り込むことができますか?」
という言葉も、とても説得力がありました。
確かにどんなに優秀であっても、その人が仕事に疲弊していて、ミスをするリスク/可能性が少しでもある場合、命にかかわる仕事ほど、そのリスクを避けたいと思いますよね。

そしてふと思ったのは、
「…これって、企業でも同じ現象が起きているよね」
ということです。
つまり、会社員であろうと専門職である医師であろうと、休業をとったり早退したり時短勤務をしている人にとっては、「日本全国、肩身の狭い思いをしている」ということ。
そして「大きな危険をはらんでいる」ということ。
日本全体で大きなロスを抱えていることになる…と思うと怖くなりました。

これらを解決するための施策について多くの意見が出されていましたが、やはり一番必要なのは「社会の意識を変えていくこと」である、と思います。

女性医師という部分に範囲を狭めて着目するのであれば、『医は仁術』という意識から市民側が脱却し、より安全で高い技術を身につけてもらうためにワーク・ライフバランスを
積極的にとってもらうことの重要性を理解する必要があるでしょうし、

国民全体の働き方という部分に範囲を広げて考えるのであれば、誰しもに「働けない」という現実に直面する可能性があることを認識し、様々な事情を抱える人を許容する精神的・物理的なゆとりをもつためにも自らの、そして周囲のワーク・ライフバランスを進めていくことが大切なのだろうと思います。

職業によって働く環境が異なることもお話をうかがって非常に感じました。
今回は「医師」という職業でしたが、今後も様々な職業の方のワーク・ライフバランスについてお話をうかがっていきたいと思います。

※ワーク・ライフバランスに関する刺激もたくさんあったのですが、久しぶりに英語のスピーチを拝聴し、脳にもいい刺激がありました!(笑)

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