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2007年10月29日 (月)

■ワーク・ライフバランスが生まれた背景

こんにちは、株式会社ワーク・ライフバランス 事務局の伊藤です。

今日は原点にたちかえり、ワーク・ライフバランスがうまれたきっかけ・背景についてお伝えします。

「ワーク・ライフバランス」はもともとは欧米で普及した概念です。
米国では、1970年代からサービスを中心とした第三次産業への業種転換や女性の権利意識の高まりにより、女性の社会進出が急速に進みました。
その後、1980年代後半の不景気で各企業がリストラを行う際に、少数精鋭による効率的な業務遂行を進める一環として、優秀な女性を積極的に登用するため、仕事(ワーク)と家庭(ファミリー)を両立できるよう配慮する「ワーク・ファミリー・バランス」施策を導入する企業が増えました。これらの企業の業績が向上したことにより、次第に他の企業にも波及していったのです。
さらに、1990年代に入ると、女性社員に限らず、より多くの多様な社員にとって働きやすい環境を整備する「ワーク・ライフバランス」や「ダイバーシティ」の概念への移行が起こり、さらに様々な人事関連の制度が開発されました。

一方、イギリスでは、1980年代にサッチャー政権が労働分野の規制緩和を進めたことやサービス産業の拡大、家族構成の多様化などにより女性の社会進出が進むとともに、1990年代の長期的な景気拡大に伴う労働需給の逼迫から大企業を中心に優秀な社員の採用や定着を目的にした柔軟な働き方についての諸施策が普及しました。
また、1997年に成立したブレア政権の下、2000年から官民一体のキャンペーンが展開され、これがワーク・ライフバランスの普及に大きな影響を及ぼしました。
このキャンペーンの中心に位置づけられたのが、ワーク・ライフバランス施策を導入するためのコンサルティング費用を政府が補助するという「チャレンジ基金プログラム」です。
また、政府は「フレキシブル・ワーキング法」の施行など法律面の整備も進めたこともあり、1990年代初頭には先進国中最低レベルだった労働生産性は、今では日本やドイツを上回り、長らく低迷していた就業率も回復傾向にあります。
労働生産性と就業率を高めることに成功した要因のひとつがワーク・ライフバランスへの取り組みにあることは間違いないといえるでしょう。

では、日本におけるワーク・ライフバランスの取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか。

日本では、ワーク・ライフバランスというキーワードが浸透する前に、「男女均等推進」と「ファミリー・フレンドリー」の2つの考え方が提唱されました。
「男女均等推進」の流れは、1985年のいわゆる男女雇用機会均等法の成立がひとつのきっかけとなりました。
その後、1997年に改正男女雇用機会均等法が成立し、「ポジティブ・アクション(すでに生じている事実上の男女格差を積極的に解消するための策)」や「セクシャル・ハラスメント」に関する規定が盛り込まれました。
2006年にも男性への差別禁止、間接差別禁止などを盛り込んだ改正が行われ、2007年から施行されています。
この「男女均等推進」と並行して、「ファミリー・フレンドリー(両立支援)」の流れも活発化していきました。
これは1991年に成立した育児休業法から本格化したといえるでしょう。
そして、大きな転機となったのが2003年に成立、2005年に施行された「次世代育成支援対策推進法(次世代法)」です。
2007年には、この次世代法に基づき適切な行動計画を策定し、目標と達成するなどの7つの基準をすべて満たした事業主は、次世代支援に対する取り組みを実施しているとして認定を受けられる制度もスタートしました。

このように、日本では現在、次世代法によりワーク・ライフバランスの取り組みが企業の間で急速に進みだしています。
今後は、欧米での経緯や男女均等推進の流れも踏まえながら、日本企業にとってあるべきワーク・ライフバランスの形を本格的に形作る段階に入っていくといえるでしょう。

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